気紛れな馬に頼りない騎手が乗っているんだから裏切られる事は多々あります。 それでも競馬というシステムはあなたを裏切らない。 もしあなたがそう思えないのなら、あなたが競馬に対して不誠実なのではないですか?
なぜか大きく報道されなかった馬券裁判
2016年06月21日 (火) | 編集 |
今年3月5日にある馬券裁判の判決について、記事が出ました。

外れ馬券購入費 経費とは認めず 東京地裁が請求棄却
 外れ馬券の購入費が経費に当たるとして、東京都の男性が競馬のもうけに対する国の課税処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は5日までに請求を棄却した。最高裁は昨年3月、経費に算入できるケースもあるとの初判断を示したが、その後は
認めない判決が続いている。今回の訴訟の男性は毎週、大量の馬券を買っており、営利目的だったと主張した。

この裁判の記事はインターネットで検索してもこれ以外出てこず、この記事でも扱いは非常に小さいもので裁判の内容を是非知りたいと担当弁護士さんに「判決文が手に入ったら教えてください」とお願いしていたのですが、ひょんな事からこの裁判の判決文が手に入りました。

自分の裁判の国側証拠資料として提出されたのです。
ページ数は70ページ程ありますので抜粋と要約になりますが以下のようになります。
現時点で公刊物未記載であることからソースはありません
弁護士さんから承諾は得ていますが、今後記事を非公開にする可能性はあります

原告主張(抜粋及び要約)

原告は各開催日毎に多額の馬券を購入し,ほぼ全ての開催日において払戻金を獲得していた。
各年の収支は次の通りである。

a 馬券購入金額
  
  平成20年:(省略)円
  平成21年:(省略)円
  平成22年:(省略)円

b 払戻金額
  
  平成20年:(省略)円
  平成21年:(省略)円
  平成22年:(省略)円

c 収支
  
  平成20年:(省略)円損失
  平成21年:(省略)円損失
  平成22年:(省略)円損失

原告は平成(省略)年から馬主業を始め,競走馬を保有維持するための資金が必要となると共に,馬主として一般的な馬券購入者よりも豊富な情報を得ることができる立場にもなった。そこで原告は,その豊富な情報を利活用することにより,馬券購入行為を通じて利益を上げようと考え,次のような方法で馬券の購入を行っていた。

(馬券購入法等の説明なので省略)

原告の馬券購入行為は原告個人の計算と危険において独立して営まれ,原告が払戻金によって利益を獲得するために馬券を購入していたことからすれば,営利性,有償性が認められ,原告の馬券購入の様態が毎週数十万円から数百万円に及ぶ大量かつ継続的なものであり,毎週払戻金を得ていたことに加えて,原告が馬主でもあり競馬を通じて継続的に利益を得ることを目的とする社会的地位も認められることからすれば,これを反復継続して遂行する意志と社会的地位とが客観的に認められる。
したがって,本件払い戻しは事業所得に当たる。
本件払戻金は仮に事業所得に当たらないとしても,次のとおり,一時所得ではなく,雑所得に該当するものである。

(最高裁判所の判例等の説明なので省略)


国側主張(抜粋及び要約)

(一時所得の定義,雑所得の要件を満たすかについての主張は他裁判と同じなので省略)

原告は,馬主としての事業所得のほか,平成20年分において(省略)円,平成21年分において(省略)円,平成22年において(省略)円の各給与所得を得ており,生活資金の大部分を当該所得により得ていたと認められることから,原告の馬券購入行為は,単なる所得の処分行為に過ぎないと言うべきであるし,社会的地位が客観的に認められる業務であるとも言えない。
さらに,馬券購入行為から相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性があったとも認められないことからすると,社会通念上,原告の馬券購入行為を「事業」と評価することは出来ず,本件払戻金は事業所得に該当しないというべきである。


当裁判所の判断(抜粋及び要約)

払戻金の発生及びその額の多寡は,偶然の要素に多分に左右され,本来的には偶発的なものであって,馬券購入行為によって継続的,かつ確実に利益を上げることは困難である。原告の損益は係争年分において年単位でいずれも赤字であり,生活資金の大部分は給与所得で賄っていたと考えられることにも照らすと,原告の馬券購入行為を事業であるということはできず,本件払戻金は事業所得に該当しない。

ある所得が「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」であるか否かは,当該所得や行為の性質を踏まえ,行為の期間,回数,頻度その他の様態,利益発生の規模,期間その他の状況等の事情を総合考慮して判断するのが相当である。
(別件最高裁判決参照)
原告が馬主であることをいかした豊富な情報等を駆使したという点はその具体的な内容や馬券的中に対する寄与度が明らかでなく,原告の馬券購入方法は一般の競馬愛好家による選定方法による馬券購入の範ちゅうである。
原告の収支は年単位でいずれも多額の損失が発生しており,原告が3年間のほぼ全ての土日において馬券を購入し,その購入金額や払戻金博が多額であったとしても一般的な馬券購入行為が連続して多回数行われたというものに過ぎず,原告の馬券購入行為が一般的な馬券購入行為と質的に異なるものということはできない。

以上によれば原告の請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとし,主文の通り判決する。



原告は3年ともマイナスなのにその払戻金に課税され、訴訟を起こしましたが敗訴しました。おそらくは税務調査の中で通帳を精査された結果、課税に至ったのだろうと思います。
競馬ファンへの影響力を考えればこの裁判の方が大きいと思われるのになぜ詳細が報じられていないのでしょうか。


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